chiji's world peace radio

料理の模倣 思考の訓練 文鳥のモフ

ネコのコエ

もうそろそろ怪談話もいいよね♪

ってことで、ボクが考えたホラー話をしたいと思います。ヒンヤリしてくれたら、うれしいです(・∀・)

 

 

残業が3日続いた時のことである。

帰る時間は深夜の1時になっていた。いつも通る道でも、深夜の静まり返った真っ暗な道は、まったくの別世界にいるようだ。いつも開いているタバコ屋は閉まっていて、側にある自販機の明かりが、やけにまぶしく感じた。

ある道を歩いていると、ネコの鳴き声がした。普段帰る時間帯では聞いたことがなかった。とてもかわいい声だとは思えなかったが、その時は疲れていたし、ぼんやりと聞いていた。

 

次の日、また同じ道でネコの鳴き声がしていた。ふと足を止め、一体どこから鳴いているのか探そうとしたが、時間は深夜、誰かに不審者だと勘違いされると面倒なのでやめた。ネコの鳴き声はとても気持ち悪かった。

 

残業最終日、やっぱり同じ道でネコの鳴き声がしていた。方向感覚がつかめないくらいに響きわたるネコの声。一体どこで鳴いているのか分からない。一歩ずつ、ネコがいるであろう方向へと進む。

「にゃ〜ん、なーん・・・」

あれ?・・・なにかがオレの中で引っかかる。なにかがおかしい?しかし気のせいな気もする。突然感じた疑問を確かめるために、もう一歩、声のある方へと近づく。その声をじっくりと聞く・・・。

「にゃーあん、なあん」

!!!!!!

気付いてしまったことを後悔するくらい、寒気がした。詮索することをさっさとやめて、帰り道を早足で歩く。さっきから鳴いているのはネコではない。その声の主は、ネコの鳴きまねをした女だった。